【光る君へ】ネタバレあらすじ第36話

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光る君へネタバレあらすじ第35話を振り返ります

光る君へネタバレあらすじ35話

私、まひろは、藤壺で静かに筆を走らせていた。窓から差し込む柔らかな光が、私の手元を優しく照らしている。「光る君」の物語を紡ぎ出す私の心は、穏やかでありながらも、ある種の緊張感に包まれていた。

突然、廊下に足音が響き、私の耳に届いた。慌てて筆を置き、姿勢を正す。扉が開き、そこには道長様のお顔が見えた。旅の疲れか、少し痩せられたようにも見える。金峯山寺への厳しい参拝の旅から戻られたばかりだと聞いていた。

「まひろよ、一条帝と中宮様のご様子はいかがか」と道長様が尋ねられる。私は丁寧に答えた。「お変わりございませぬ」

道長様の表情が僅かに曇るのを見逃さなかった。彰子様の懐妊を祈って命がけの旅をされたのに、その願いはまだ叶わぬようだ。心中お察しする。

しかし、道長様の目が私の机の上に置かれた巻物に向けられると、その表情が一変した。「おお、『光る君』の物語か。読ませてもらおう」

私は少し躊躇したが、道長様の熱心なご様子に、巻物を差し出した。道長様は早速、その場で読み始められた。私の心臓が高鳴る。今、道長様が目にしているのは、光る君の不義密通の場面だ。

しばらくして、道長様が顔を上げられた。「まひろよ、どのような心積もりでこれを書いたのだ」

私は深く息を吸い、答えた。「わが身に起きたことにございます。ひとたび物語となってしまえば、わが身に起きたことなぞ、ささいなことになってしまうのでございます」

道長様は黙って頷かれた。その瞳に、理解と共感の色が浮かんでいるように見えた。

数日後、中宮・彰子様が「光る君」の続きをお読みになった。彰子様は私に、「若紫」という登場人物が自分に似ていると仰った。幼くして入内され、内裏で育った彰子様。若くして光る君に引き取られ育てられる若紫の姿に、ご自身を重ねられたのだろう。

「この娘は、これからどうなるのであろうか」と彰子様が問われた。私は慎重に言葉を選んだ。「中宮様はどうなればよいとお思いでございますか」

彰子様は少し躊躇された後、「光る君の妻になるのがよい」とお答えになった。その言葉に込められた想い、一条天皇の真の妻になりたいという願いを、私は感じ取った。

勇気を出して、私は申し上げた。「その息づくお心の内を、帝にお伝えなされませ」

まるで天の配剤のように、その瞬間、一条天皇が藤壺にお越しになった。彰子様の瞳が輝きを増す。私は息を呑んで見守った。

彰子様は、震える声で、しかし真っすぐに一条天皇を見つめ、こう仰った。「お上! お慕い申しております!」

その言葉が、一条天皇の心を動かしたのだろう。寛弘四年の暮れ、彰子様は初めて一条天皇と結ばれたと聞く。私は密かに喜びを噛み締めた。物語は時に現実を動かす力を持つ。そう信じて筆を執り続ける私だが、今回ほどそれを実感したことはない。

これからも私は、「光る君」の物語を紡ぎ続けよう。そこに込められた想いが、誰かの心を動かし、誰かの人生を変えるかもしれない。そう信じて、私はまた静かに筆を取るのだった。

光る君へネタバレあらすじ第36話

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